カタール・ワールドカップ2022
日本代表の戦いはベスト16で終わりました。
新たな歴史、ベスト8の壁は越えられませんでした。
その結果が称賛されるべきなのか、それとも落胆なのか、私には分かりません。
彼らを4年間追いかけて、どこかに個人的な想いを書き綴りたいと思いました。
youtubeのコミュニティも書いた、ただの自分語りです、だれも興味ないと思いますが。
まぁ暇な時にでも読んでください。
日本代表がクロアチアに負けて、森保ジャパンの4年間が終わりました。監督の去就は分かりませんが、大きな区切りがつきました。
私にとって、2018年の発足当時から最後まで追い続けた代表はこれが初めてです。
全試合の映像や選手一人一人のデータ、最初は暇つぶし程度だったのに、気づけば夢中になって追いかけていました。
その4年間で、もっとも忘れられない試合があります。
2022年10月12日 アジア最終予選の日本vsオーストラリアです。
最高の勝率を誇る森保ジャパンですが、当時は絶不調に陥っていました。
中島翔哉の離脱から始まった左サイドの迷走、南野の負傷、伊東純也の出場停止、鎌田システムの崩壊…
3試合で2敗、絶望的な状況。
監督解任は現実味を帯びていました。
日本代表を応援しない人たち、外野から石を投げて再注目を浴びたいOBの声がどんどん大きくなっているのを感じました。
サウジアラビア戦の敗北で、その勢いがピークに達しました。
「もう、だれも応援していないんじゃないか」
自分で言うのもなんですが、私でさえ試合を見るのが怖くなりました。
そして試合当日。
舞台は埼玉スタジアム2002 観客14437人
最大6万人が収容できる客席は空席だらけ。コロナ禍で規制が強く、サポーターはマスク姿で声も出さない。
静寂の中で進む試合、ホームなのに不気味な雰囲気でした。
でも、その空気を打ち破った選手がいます。
8分 左サイド南野が右のファーサイドにクロスボール、そこに走り込んでいたのは田中碧。
正確なトラップから右足でゴール!
ワッとあがる歓声。一気に雰囲気が明るくなる。
その時『なんだ、みんないるじゃん! 応援してんじゃん! 今までどこにいたんだよ』
て思って、すごく心強くなったのを覚えています。
そのゴールと勝利を皮切りに、日本代表は怒涛の6連勝で予選突破。
決めたゴールは全部で12。
なかでも田中碧の得点は、私にとって一番印象的で忘れられないものになりました。
彼がいなければ日本はどうなっていたか分からないし、もし予選落ちすれば私はサッカーを見なくなっていたかもしれません。
私は彼を一生応援すると決めました。
同時期、私は改めて中島翔哉の解体新書の作成に取り掛かります。
これはいくつかの動画でも触れましたが、その途中でいろいろな「知りたくない真実」を知りました。
コパ・アメリカで著名な解説者たちが、ろくに分析もせず事実ではない憶測で中島を批判していたこと。
その影響で中島のオフザボールが理解されず、とある選手を邪魔していると叩かれていたこと。
でも真実は違いました。
中島のプレーは、柴崎岳とその若い選手を結ぶ線になっていました。
”彼”が記録して絶賛された多くのキーパス、そのほとんどが柴崎を経由した中島のパスから生まれていたのです。
そして、その3人を最後まで共存させたのが無能・森保です。
当時の報道に真実はほとんどありませんでした。
絶賛されるのは白い巨人の若き逸材だけで、だれもその三角形や采配を分析してくれませんでした。
同じ流れは今も続いています。
鎌田システムで支配率を取り返し、戦術三笘でブラジルを追いつめた6月。
とある代表OBは「無意味な試合」と吐き捨て、鎌田を評価するメディアはいませんでした。
中山雄太がWB、三笘がWGになる『戦術三笘・改プロトタイプ』を試した9月。
絶賛されるのは左のタケばかりで、なぜ三笘が4バックで機能しなかったのかを伝えるメディアはいませんでした。
そして本大会。
中山雄太が離脱したなか、森保監督は新たな『戦術三笘・改』を編み出しました。
それは
「どうやって三笘ゾーンにボールを運ぶか」ではなく
「左シャドーと左CBでミスマッチを作り、WB三笘をミドルサードでフリーにさせる」
という従来の戦術三笘とは一変したものでした。
実際、彼のプレーエリアは低めになり、私たちが見慣れた『左アタッキングサードのライン際ドリブル』は数えるほど。
なぜ三笘をウイングで使わない? 本田圭佑も福西崇史も疑問を呈しました。
ウイングかウイングバックか、どちらが正解かは分かりません。
森保監督は後者を選択し、その結果ベスト16で終わりました。
個人的には、三笘を活かせる中山の離脱、他SBや4バックでの失敗をふりかえると、本大会でウイング三笘が機能する可能性はかなり低かったと思います―――
日本代表がカタール大会を終えた今、改めて思いだす言葉があります。
ザッケローニ監督(2010/14)の通訳を務めた、矢野大輔さんのものです。
「腑に落ちない部分がいくつもある。監督がやろうとしていたことは正しく理解されていない。事実をより多くの人に伝えたい」
by 通訳日誌
私も同じことを4年間ずっと感じていました。
きっとザッケローニさん、アギーレさん、ハリルさん、西野さんも間違った批判をされてきたと思います。
もちろん、森保さんがなに考えてんのか分からない部分は私にもあります。
それでも分析を進めると「やっぱりな、森保すげえな」ってことがほとんどでした。
そして彼は結果を出しました。
外野の私でさえ試合を見るのが怖くなる重圧、それとずっと戦ってきたすえの結果です。
ベスト16を称賛するべきかは個人の勝手です。
ただ、その過程はどうだったのか。
長谷部誠の代表引退、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司たちからの世代交代―――
ザック、アギーレ、ハリル、西野時代と比較して、もっとも難しい過渡期だったと思います。
多くの方がケチをつけ、この結果が正しく理解されるまで長い時間がかかるでしょう。
私は今後も彼らを追い続けます。
そしてできる限り、正しく理解される《真実》を伝えたいと思っています。
自分が好きな選手、追いかけてきた選手が間違った批判や主観で叩かれる、その声がどんどん大きくなっていく。
こんな理不尽で悲しいことってないじゃないですか。
その裏に隠された真実に気づくのが遅ければ遅いほど、悔しくてたまらない気持ちになります。
だから追及したいんです。
これからの監督が無能なら無能であると、有能ならいかに有能であるか、ただ真実を追求していきたい。
そして選手たちも正しく理解され、正しく批判されてほしい。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
2026年まで、一緒に応援していきましょう。